ぴりぴりとした痛み、かゆみを伴う痛み、ビリビリとしびれるような痛みなど、痛みを伴う皮疹で来院された場合には、帯状疱疹であることが多くあります。体調がすぐれなかった、あるいは疲労蓄積などのため免疫力が低下した際に、以前から体の神経節に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが増殖し、神経に沿って皮膚へと向かうため発病します。水痘・帯状疱疹ウイルス用の抗ウイルス薬の内服が効果を発揮しますが、発症から早い時期の内服開始が重要です。帯状疱疹の皮疹は、体の右か左かのどちらか片側です。体の片側にできた痛みを伴う皮疹に気づかれた際は、なるべく早くご来院ください。

顔面に帯状疱疹が発生した場合には、特に注意が必要となります。眼の領域や鼻根部に発生した場合は、視神経障害(視力に支障がでる場合も)、角膜障害、網膜障害が発生し得ます。耳の領域に発生した場合は、顔面神経麻痺、内耳障害に関連するめまいや聴力障害などが発生し得ます。状況に応じて、専門医への紹介が必要となる場合があります。

2023年8月27日(日曜)10時〜、大阪府医師会館で開催された、かかりつけ医応用研修会に参加し、浅井皮膚科クリニック(横浜市)院長の浅井俊弥先生の講演、“帯状疱疹の予防と診療について”を聞きました。

帯状疱疹の予防策として、ワクチン接種が推奨されています。基本として、50歳以上の方が帯状疱疹ワクチン の接種対象となっています。当院では予約制で接種を行っております。帯状疱疹ワクチンには2種類あり、接種費用と予防効果に異なりがありますので、ご不明な点がございましたら、診察時にお尋ねください。

なお、現時点では、大阪市で接種助成金事業は行われておりません。

 

下記紹介記事もご参照ください

痛がゆい皮疹は帯状疱疹の可能性も