突然発症し、命をおびやかすことにもつながりかねない脳出血。脳出血で最も多いのが、高血圧が原因で発生する高血圧性脳出血です。脳の中を巡っている動脈の壁が高血圧にさらされることで弱くなり、動脈硬化の変化も加わって最終的に破綻して出血することで発症します。

脳内出血の予防は、①血圧の適切なコントロール、②食事摂取塩分量を控えて、果物・野菜を多く摂ること、③動脈硬化に直結する悪玉(LDL)コレステロール値を良好にコントロール、④糖尿病や脂肪肝にならないよう生活習慣に工夫を行う、などが挙げられます。

2024年1月24日、中央区で開催された大阪府内科医会・定期学術集会に参加し大阪公立大学循環器内科准教授の泉家康宏先生から、脳出血・心不全発症予防を念頭においた高血圧治療についての講演を聴きました。当院では、心電図検査や動脈硬化検査なども定期的にご提案しながら、高血圧診療を行なっております。

血圧の目標値は、自宅安静時に上腕での測定で、75歳未満の方では125/75mmHg未満75歳以上の方で135/85mmHg未満が目安とされています。高血圧を放置していても、通常は顕著な自覚症状が乏しいものです。血圧は、ストレス、不眠、便秘、気温の変化など、様々な要因の影響を受け変動します。突然発症する脳出血などの危機的な状態を未然に防ぐためにも、日頃の血圧には十分に気を配っていただくことをお勧めします。