2020年12月20日(土曜)16時〜大阪で開催された大阪産業医研修会に参加し、睡眠時無呼吸と社会活動への影響について、松澤呼吸器クリニックの松澤邦明先生の講演を聞きました。良い質の睡眠がとれているので、毎日すっきりと朝を迎えている。良質の睡眠は、眠気におそわれることなく、活発に社会活動を行うにあたって、とても重要です。一方で、睡眠で悩まれている方も多いのが実状(5人に1人との報告も)です。睡眠障害により社会活動に影響が出ることは多分に懸念され、試算では、睡眠障害による日本での経済損失は1年間で約10兆円と報告されています。

睡眠の質が悪いことに影響する代表的な病気に睡眠時無呼吸症候群(SAS)があります。体格的な特徴から、欧米人と比べて日本人はSASになりやすいと報告されています。男性に多く男性の3.3%がSASに罹患しているとされています。なんと恐ろしいことに、SASを無治療で放置すると9年間で4割の方が死亡するという研究結果が報告されています。睡眠中に呼吸が停止することで、各臓器への酸素供給が滞り、様々な病態が悪化することに起因します。SASは症状が強い場合、経鼻的持続要圧呼吸療法装置での治療が効果的です。睡眠時に80回以上の無呼吸(1時間あたり)を発生していた方が、1〜2回へとほとんど無呼吸が消失し、体調がよくなって喜んでいただくことも多くあります。当院では、SASの診断・治療を行っております。いびき、昼間の眠気、体のだるさなどでお悩みの方はご相談ください。