2023年10月29日(日曜)10時〜東京で開催された糖尿病治療検討会議に参加し、日本人に適した糖尿病治療をどのように組み立てるかについての総合討論を行ってきました。虎ノ門病院院長の門脇孝先生、藤田医科大学清野裕介先生を始めとして、日本全国から糖尿病診療に従事する医師約500名が一会場に集合。

日本人と欧米人とでは、糖尿病が発生し進行する機構に異なる点が少なからず存在します。一つ例を挙げると、膵臓に存在してインスリンやグルカゴンを分泌することで血糖を調整する組織(膵島)の数が、欧米人と比較して日本人では少ないとの研究結果が報告されています。この異なりからは、日本人での高血糖―糖尿病治療は、膵島を疲れさてでも血糖を下げる治療をなるべく避けて、膵島を長期に保護することを念頭においた治療戦略が重要と理解できます。

患者さん一人一人で糖尿病が進行する過程も異なります。この異なりと、欧米人との異なりを理解しつつ、最新の治療薬も適宜選択しながら、日本人により適した糖尿病診療を組み立てる工夫を検討することが会の主眼でした。