突然発症し、突然生命を脅かす病気である心筋梗塞。ご家族の悲しみを避けるためにも、日頃からの予防対策が大切です。2019.12.7(土)19時〜、心斎橋で開催された大阪心血管病治療フォーラムに参加し、横浜栄共済病院循環器内科部長の野末剛先生の講演を聞きました。

心筋梗塞の発生リスクについての医学論文を多数集計し、メンデルランダム化解析という手法を用いて様々な因子の中でどの因子に注目すればよいかを解析されました。その結果、心筋梗塞の発症について真のリスク因子として着目すべき項目は、LDL(悪玉)コレステロール値、中性脂肪値、高血圧、内蔵脂肪による内蔵肥満であったとのことです。この結果は、従来の動脈効果治療がややもすればLDL(悪玉)コレステロール値ばかりに着目していたことに警鐘を鳴らすものと受け止めます。この点について、複数の大規模な臨床研究で、LDL(悪玉)コレステロール値を十分低い値に(70mg/dL以下)誘導した場合に心筋梗塞発生率が25-35%低下することが報告されていますが、裏を返せば、残りの65-75%の心筋梗塞発症がLDL(悪玉)コレステロール以外に起因するこを意味していることと矛盾のないストーリーとなります。

LDL(悪玉)コレステロール値、中性脂肪値、高血圧については通常の検診や受診で評価できます。また、内蔵脂肪による内蔵肥満は腹部超音波検査(予約制)で評価しておりますので、ご心配な方はご相談ください。