糖尿病は、血液中の糖濃度(血糖値)が通常より高い状態となる病気です。ですから、血糖が問題となる病気と思われがちですが、高血糖によって血管が傷つく病気と認識することがより正確に病気の本質を見ていると考えます。血管が傷つく病気の中で、命に急な危険を及ぼす病気の代表が心筋梗塞です。心筋梗塞が発生する率は、糖尿病の方では約3倍高くなると報告されています。さらに心筋梗塞が適切に治療されたとしても、その後の心筋機能低下が顕著な場合が多いこと、そして、心筋梗塞後の生命予後が糖尿病のある方では有意に悪いと報告されています。

このような血管障害に起因する心筋梗塞などの重大疾患を予防することが糖尿病治療の本質の一つといっても過言ではありません。すこしでも早いタイミングで糖尿病治療が開始されること、そして、糖尿病の病態によっては、心臓保護の作用のある糖尿病薬を適宜選択していくことが日常診療で重要となってきます。

2026年6月6日、大阪市北区で開催された糖尿病大阪セミナーに参加し、兵庫医科大学循環器内科教授の石原正治先生から心臓病予防を目指した糖尿病治療戦略についての講演を聞きました。高血糖によって血管障害が進行するメカニズム、その解明から糖尿病薬がどのような予防効果を発揮するか、そしてそれらの工夫から心筋梗塞の発生がどの程度予防できるかについての討論が行われました。

当院の糖尿病日常診療においては、心電図検査を適宜ご提案したり、病状によっては大阪急性期総合医療センター心臓内科や阪和記念病院循環器内科との連携の基に心臓病の発生に気を配りながら診療に取り組んでいます。

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