健康診断での血圧測定は高血圧を早期に発見するのに大変有用です。高血圧の初期・中期の状態では、高血圧に関連する症状が一般に乏しく、症状がまったくないか、あるいはあったとしても多くの場合めまい・頭痛・肩こり・動悸など普段からよく経験する症状にとどまります。このことから、高血圧はサイレントキラーとも呼ばれており、症状を発生することなく全身の動脈血管を傷つけ続けます。つまり気づかないうちに動脈硬化を引き起こし、致命的な病気(脳卒中・心筋梗塞・腎不全など)として急に現れる確率が高くなります。

最近では、血圧を気に掛ける方も多くなってきており、ご自宅で血圧を測る機会もあるかと思います。日本高血圧学会が自宅安静時の血圧目標値をガイドラインとして公表しており、上腕での測定で125/75mmHg以下(年齢を問わず)です。

ガイドラインとして目標血圧を公表している理由は、この値より高い状態が続くことは、気づかないうちに血管障害が進行しますよ、気づかないうちに致命的な病気へと進行する危険がありますよ、とアラート(注意信号)として教えてくれているものと理解できます。事実として、日本国内1年間で約18万人の方が高血圧が要因で死亡しています。この高血圧関連死亡者数は、高血糖(糖尿病)の約4.5万人、喫煙(呼吸器疾患)の約4万人を遥かに凌ぐ数であり、高血糖は、我々内科診療医としても真摯に取り組むべき病態であるとご理解いただけると思います(数値は厚生労働省2019年発表値)。

2026年1月21日、住吉区医師会館で開催された高血圧診療セミナーに参加し、青山病院顧問・内本定彦先生から日本高血圧学会ガイドラインに基づく高血圧治療の講演を聞き、住吉区から参加の内科系医師と総合討論を行いました。動脈硬化に関連する病態への進行を少しでも減らすことに注力して、つまり脳卒中・心筋梗塞・腎不全などの発生予防に気を配った高血圧診療にあたっております。