前回は、ストレスが溜まることによって、動悸や不整脈が発生することがあることを解説しました。漢方薬内服なども含めストレス解消を試み、症状が消失する場合が一番望ましいことです。しかし、動悸や不整脈が続く場合には、その症状が治療を必要とする不整脈なのか、治療は必要としない不整脈なのかを鑑別することが大切となります。

 

まずは、心電図検査でその時点での心臓の状況を把握することをお勧めします。当院では、基本的には予約制にて(急を要すると判断する場合には少しお待ちいただきますが当日に)検査を行なっております。

 

不整脈には、脈が早い頻脈、脈が遅い徐脈、心臓収縮リズムの不調による期外収縮の3タイプに分けられます。それぞれにさらなる精査や治療が必要な場合がありますので、状況によっては機関病院の循環器内科を受診いただくことをお勧めすることもあります。

 

2025.5.1天王寺で開催された不整脈診療セミナーに参加し、大阪急性期総合医療センター心臓内科・不整脈室長の川崎真佐登先生から不整脈・心房細動診療についての講演を聞きました。不整脈の中で脈が早い頻脈に分類される疾患の一つに、心房細動という病気があります。心房細動の状態では、心臓の中で血栓ができ、その血栓が脳へ血流に乗って流れることで脳梗塞を引き起こす危険があります。適切に診断し、適切な血栓予防策や、適切な治療を行うことが重要です。