高血圧管理・治療ガイドライン(日本高血圧学会)が血圧管理目標を提唱しています。2025年8月末に改定のガイドラインにおいて、推奨血圧は、年齢にかかわらず、自宅安静時は125/80mmHg未満、診察室血圧は130/85mmHg未満とされています。改定前ガイドラインでは、75歳以上の診察室血圧目標140/90mmHg未満から130/85mmHg未満へとの改定がなされました。これは、1000以上の世界からの研究論文をガイドライン作成委員の方々が解析した結果を基に、委員全員の合意で変更されたものです。
日本高血圧学会―高血圧管理・治療ガイドライン作成委員長の大屋祐輔先生から新ガイドライン変更留意点についての講演を聴きました。当ホームページでもアナウンスとしてご紹介しておきます。
とはいえ、血圧目標はあくまで全体としての提唱がなされたものであり、患者さん個々によって微調整は必要です。心不全合併の場合は、腎機能障害を有する場合は、脳卒中既往の場合は、糖尿病合併の場合は、フレイル等の身体機能低下がある場合は、めまい・ふらつきなどの起立性低血圧がある場合は、などなど、血圧目標を多少変更するべき場合もありますし、選択する降圧薬の種類にも気を配る必要もあります。一人一人により適した高血圧治療をご提案できるよう、診療にあたっております。