当院では、糖尿病診療にも注力した診療を行っております。糖尿病診療では、血液中の血糖濃度が高くならないよう運動や食事内容に工夫をしながら、適切な内服や注射治療を行います。糖尿病は、患者様一人一人で、病態や病期が様々ですので、一人一人になるべく適した治療を提供させていただくことをモットーとしております。
糖尿病治療において留意すべき点として、血管に関連する病気の発生が挙げられます。血糖が高い状態は、血液が流れる血管の壁に炎症や障害を持続的に発生させ、血管障害を引き起こします。小さな(細い)血管の障害に起因する病気としては、網膜症(失明につながることも)、腎臓の機能低下(透析に至ることも)、神経障害(手や足にしびれ・痛みが続く)があります。一方、大きな(太い)血管の障害に起因する病気としては、心筋梗塞・脳梗塞等の虚血性脳・血管疾患、下肢動脈閉塞などの末梢動脈疾患があります。
これらの病態の発生の有無を適宜把握することが糖尿病診療には大切です。病状からこれらの発生を疑う場合には、適切なタイミングで基幹病院と連携した診療体制を組む必要があります。その取り組みの一つとして、大阪急性期・総合医療センターの糖尿病診療科や、心臓内科等と会議による意見交換を定期的に行なっております。
2025年8月30日、中央区で開催された住吉区糖尿病診療セミナーに参加し、住吉区で糖尿病診療を担当する開業医、そして大阪急性期・総合医療センター糖尿病・内分泌内科副部長の藤田洋平先生と総合討論を行いました。よりスムーズな基幹病院との連携体制の構築ができるよう努めております。