水虫(医学病名は白癬または糸状菌症と呼びます)を放置していたことで、足から膝あたりまで腫れて熱がでる、あるいは、足からふとももまで腫れて痛くて歩けない、などの蜂下織炎という状態で来院されることがしばしばあります。入院治療が必要な場合もあります。その原因となる水虫を同居家族の方に移さないようにするためにも、水虫は普段からしっかりと治療することが大事です。

水虫の原因菌は、水虫を持っている人が靴をぬいで歩く環境であればどこでもちらばっています。ですから、家族内に水虫の人が1人いれば、家中に原因菌が散乱しています。公共の場所、例えば公共浴場やプールの更衣室などでは、その場所に入った人の90%以上で足裏から水虫原因菌が検出されたとの調査報告があります。

2023年12月6日(水曜)19時〜天王寺で開催された皮膚疾患地域連携の会に参加し、関西ろうさい病院皮膚科部長の福山國太郎先生から、水虫がどのように移るか、そして、どのように予防・治療するかについての講演を聞きました。水虫の原因菌の白癬菌は、いろいろな環境で皮膚に接触します。接触してから皮膚内へ侵入し感染が成立するには、約1日という時間が必要と言われています。付着しても侵入するまでの段階であれば、石鹸で洗うことで、ほとんどの白癬菌は除去できるのだそうです。つまり、水虫感染を防ぐには、毎日1回、足などの皮膚を丁寧に石鹸などで洗うことが大切です。

当院では、足裏や指間の水虫、爪の水虫の診療を行なっております。必要な場合は、皮膚や爪の一部を顕微鏡検査し、軟膏などでの治療を行います。爪が分厚くなった、爪の色が濁ってきた、足指がかゆいなどでご心配な方は、受診ください。