最新(2019年)の日本がん統計が発表されました。がんによる死亡原因では、女性では大腸がんが1位、男性で3位。女性で2位であった2017年の統計から順位がさらに上がりました。

2021年2月4日(木曜)19時〜web形式で開催された万代消化器フォーラムに参加し、大阪急性期総合医療センター・消化器外科・副部長の賀川義則先生から大腸がんの手術および術後治療についての講演を聞きました。大腸がんの発見が進行段階であったとしても、ロボット外科手術や術前後の化学療法の改良が重ねられており、以前と比較して良好な治療成績が報告されています。

さて、大腸がんでの死亡をどのように防げばよいでしょうか。答えはなによりも早期発見です。できればがんになる前の段階、大腸の場合は腺腫という良性ポリープの段階で発見できればなお良しです。

大腸がん発見のためには、大腸内視鏡(カメラ)定期的にうけないといけないとお考えの方もおられるかと思います。大腸内視鏡は気軽に受けれる検査ではありませんので、まずは、大腸がん検診としての便潜血検査がお薦めです。大阪市の取り組みとして、大腸がん検診事業を行っており、大阪市に住民票のある40歳以上の方(男女共)を対象に、各年度に1回、便潜血検査2回法で検診を受診いただけます。料金は300円(後期高齢者医療被保健証の方など無料の場合もあります)です。便を採取するだけの検査ですので、痛みなどは伴いません。便潜血検査をきっかけに、早期大腸がんやがん手前のポリープが見つかり、外科手術をすることなく内視鏡で治療ができた方々には、“大腸がん検診を受けて良かった”と、とても喜んでいただいております。当院は大阪市大腸がん検診取り扱い医療機関です。毎年の検査がお薦めです。ご希望の方は、お申し出ください。