人手不足で仕事がなかなか終わらない、介護などで相当気を使う、人との関係で悩み事が続くなどなど、日々の生活が大変で、ストレスが体に蓄積していく状況にはしばしば悩まされます。

 

ストレスによって発生する症状は極めて多彩です。例をいくつか挙げますと、①喉が詰まった感じがする、②食事を飲み込む際に違和感を感じる、③胃がシクシクと(時にギュッと)痛む、④下痢や便秘などが普段より悪化する、⑤脈が早くなったり、動悸がする、⑥首や頭の後ろがこったり、重たく感じる。また、偏頭痛やめまいが悪化する。⑦熟睡できない、⑧喘息や高血圧が悪化する、⑨更年期関連症状が悪化する、⑩イライラしたり物事に集中できない。まだまだ沢山の症状と関連します。そして症状は1つに限らず、2つ・3つと複数の症状がいろいろなタイミングで発生することも多くあります。

 

2025.5.24大阪で開催されたストレスによる諸症状と漢方医療の会に参加し、循環器医で漢方療法の経験も豊富な えのもとクリニック院長の福原慎也先生から、漢方薬含有成分がどのようにストレス関連症状を改善するかについての講演を聞きました。

 

ストレス関連症状の治療で最も大切なのは、ストレスを回避する生活工夫です。しかし、どうしても回避することができず、ストレスが蓄積して諸症状が気になってきた場合には、漢方薬の内服が功を奏することに多く出会います。少しでもストレス関連症状から解放されて、楽しく活力のある日常生活を送っていただける、そのようなことに少しでもお役にたてればと思っています。