階段を上がると息切れする。駅まで歩くとハーハーとなる。自転車は問題なくこげるが早く歩くとしんどい。咳や痰を伴う風邪をよくひく。タバコをたくさんすっていた。あるいは、タバコの煙が気になる環境ですごしたことが多い。これらの要素が重なる時は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)という病気の可能性があります。日本でCOPDに罹患している方は推定500万人といわれており、そのうち35万人が治療を受けておられます。

COPDの診断には。スパイロ検査が欠かせません。当院では随時スパイロ検査を行っておりますので、息切れ等で悩んでおられる方は、どうぞご相談ください。検査は、5分ほどで完了。マウスピースを加えてしっかりと大きく息を吸い込んだ後に、できるだけ早く息を吐き出すという検査で、苦痛はありません。吐き出す息の量や、最初の1秒間でどれだけ吐き出すことができるかなどを測定して、COPDの有無を判定します。

2020年10月3日(土曜)16時〜天王寺で開催された大阪咳嗽フォーラムに参加し、広島アレルギー呼吸器クリニックの保澤総一郎先生から、COPD治療による心臓病の抑制効果についての講演を聴きました。COPDの病状が悪化すると、脳梗塞や心筋梗塞の発症率が高まるという研究成果が示されました。COPDの治療には、吸入薬治療が著効することが多くあります。エアロスフィア送達技術という最新技術を搭載した吸入時の刺激感が少ない吸入薬も開発されています。エアロスフィア吸入は、ふわっとやさしく吸入できますので、ご高齢の方でもうまく吸えると実感されることも多くあります。「うまく吸える」はつまり、お薬がしっかりと肺に行き渡ることに繋がりますので、大切な実感と考えます。